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コラム50: 頑張り過ぎていませんか?

 法学部生である皆さんは、東大内でも一、二を争う程多忙な毎日を送っていると思います。日常の勉強はとても大変で、試験前となれば尚更です。就職活動や大学院への進学について悩んだり、実際に行動を起こさなくてはならない時も多々あります。そうした日々の中では、“東大法学部の学生である”ということが誇りであると同時に、プレッシャーに感じられることもあるのではないでしょうか。

 法学部に辿りつくまでに、皆さんは大変な努力をされてきたことと思います。そしてまさに今も、勉強や進路、人間関係などについて、皆さん一人ひとりがそれぞれの形で頑張っているのではないかと思います。こうした『頑張る』という言葉は、日常生活でよく使われるとても身近な言葉です。自分を鼓舞するときや、相手に前向きな気持ちを伝えるとき、皆で気持ちを一つにするときなど、用途・場面は様々です。私はよく、“確約はできないけれど、最善を尽くします”という意味合いで使うことが多いように感じます。“できなかったら許して下さいね”というニュアンスが多分に含まれているので、ちょっとずるい使い方かもしれませんね(笑)。

 日本人は文化的な背景もあってか、短所を克服したり、自分に厳しくすることにとかく意味を見出しがちです。もちろん苦手なものを克服するために試行錯誤したり、目標に向かってがむしゃらに突き進むことは、その人にとって大切な何かをもたらすでしょう。それは努力した末の結果であるかもしれないし、全力を尽くしたという達成感、周囲からの賞賛などであるかもしれません。こうした経験は、自分に対する自信にもつながります。しかし、そのために辛さや苦しさから目をそらして無理を重ねたり、自分を過度に追い詰めるようなことがあれば心配です。心や身体の悲鳴を無視していると、結果的に健康や学業への大きな支障へと繋がりかねないからです。

 “頑張り過ぎている自分”がいたら、まずはそのことに気付いてあげてください。中には「こんなことは皆だって耐えている」とか、「これくらいできなければ情けない」等と考える人もいるかもしれません。しかし、個人の辛さは人と比べて推し量れるものではありません。そして“できていないこと”ばかりでなく、“今できていること”にも公平に目を向けてあげる必要があります。「こんなことはできて当たり前」と受け取るのではなく、「大変だったね。そんな中で良くやったね」と自分を労わってあげてください。口に出すのが難しくても、心の中でつぶやくだけなら誰にも文句は言われません。思いっきり自分を褒めて、疲れた心と身体を休めましょう。

 それでももしどうしようもなく苦しければ、時には“頑張り方”を変えてみることも必要かもしれません。それは本当に自分が頑張りたいことなのか、自分のためになることなのか、辛さを凌駕するだけのやりがいを見出せているのか…。多忙な今だからこそ、あえて一度立ち止まって考えてみることも必要なのではないのでしょうか。何より大切にしてほしいのは、あなたの心身の健康です。それをどうか忘れないでください。(文責:能登)


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